FX のレバレッジの「仕組み」と「リスク」「計算」
FX レバレッジとは?
「レバレッジ」は日本語では「てこ」と訳されます。
外国為替 証拠金取引(FX)においては、自分の預けたお金(証拠金)の何倍もの金額で取引ができ、「てこ」を効かせたような、ダイナミックなトレードを可能にするのが「レバレッジ」です。
レバレッジの仕組みがあるために、FXのトレードで大きく利益をあげることができ、また逆に大きな損失を生んでしまいます。
FXのレバレッジとは、具体的にどのような仕組みなのでしょうか?
FX レバレッジの仕組み
日本国内では、最高レバレッジは 25倍と法律により定められています。(2017年11月現在)
レバレッジ 25倍の具体例を説明します。
FXのトレードは、「証拠金」としてFX証券会社にお金を預けることで成立します。
※「証拠金」…担保としてFX業者(FX会社)に預け入れるお金
この「証拠金」の 25倍の金額でトレードができるのが、レバレッジ 25倍、ということになります。
分かりやすく具体例で示すと、1万円を証拠金としてFX証券会社に預ければ、25万円分のトレードができる事になります。
FX レバレッジのリスク(危険)
勘の鋭い方ならお気づきかと思いますが、1万円の証拠金で 25万円分のトレードができてしまうということは、証拠金以上の損失が出てしまうこともあります。
具体例をみてみましょう。
- 金曜日、ドル円レートが 100円の時に 10,000通貨を保有する
- エントリーはロング(買い)、必要証拠金は 4万円、口座資金は 5万円
- 週末にアメリカの政治情勢が大きく悪化
- 翌週月曜日、レートは大きく乖離しドル円は 94円となった
上記の具体例は少々極端な例なのですが、あり得ない内容ではありません。
この場合の損失額は 6万円となります。
証拠金はおろか、口座資金以上の損失が発生してしまっていますよね。
(日本国内のFX証券会社利用者であれば)こうした場合には、口座資金からの不足分 1万円を負債として背負う必要があります。
レバレッジをかけるということは、自分の資金以上の損失もまた発生する可能性があるということなのです。
FX レバレッジ リスクのほんとのところは!
前項目で説明した具体例は、いささか極端な内容でした。
実際には、
- 口座資金に対して余裕を持ったポジション量でエントリーする
- ドル円が 100円から 94円まで乖離したが、この暴落は稀
- 通常はある一定の損失が出た時点で FX業者側で強制決済される
という状況かと思われますので、負債を背負ってしまうことはほとんどありません。
それでも負債を背負ってしまう方は、リスクマネジメントをしていないからです。
リスクマネジメントさえ確実に行っているのであれば、レバレッジはむしろ大きな利益を生み出す武器となります。
海外FX業者では、日本とは比べ物にならないほどに高いレバレッジをかけることができます。
レバレッジ 888倍まで可能なFX業者(FX会社)もあります。
このレバレッジ 888倍を例に、レバレッジについて考えてみましょう。
ドル円レートが 100円 10,000通貨保有の場合 | レバレッジ 25倍 | レバレッジ 888倍 |
証拠金 | 40,000円 | 約1,126円 |
レートが 1円動いた時の損益 | 10,000円 | 10,000円 |
ご覧の通り、レバレッジが高いからといって損益額には差がありません。
むしろ必要証拠金が少ない分、余力口座資金が多くなるため証拠金維持率は高く保てます。
※「証拠金維持率」…取引している証拠金の必要金額に対しての、証拠金の残高の割合
ハイレバレッジや、レバレッジそのものが危険の根源だというのは、おおきな誤りだと考えています。
エントリーと同時に必ず逆指値を設定する、自分の総投資資金に対して保有ポジション量を多くし過ぎない、ということをしっかり守ればレバレッジでの破産や、FX市場から退場しなければならなくなる程のリスクは回避できます。
その大きなリスクさえ回避できれば、リスク以上の大きな利益を手に入れるチャンスがあなたにも拡がってくるのです。
FX レバレッジの計算
FX業者(FX会社)の「設定レバレッジ」とは別に、「口座レバレッジ」という考え方があります。実際のトレードを行う際には、この口座レバレッジの考え方がとても重要になってきます。
FX業者(FX会社)の「設定レバレッジ」は、必要証拠金を決めるためのものであり、レバレッジが高いから危険、低いから安全というものではないということを前項目で説明しました。
しかし、口座レバレッジはトレードの安全性を計る上ではとても重要になってきます。
計算方法は後述しますが、ドル円レートが 100円の時に、100万円の資金で1万通貨を保有する場合には、口座レバレッジは1倍となります。
FX業者(FX会社)の設定レバレッジが25倍であろうと、888倍であろうともです。
ちなみに、口座レバレッジが1倍であれば、保有ポジションのレートがどれだけ急変しようとも、負債を背負うことはあり得ません。
逆に口座レバレッジが高くなればなるほど、危険なトレードということになります。
FX レバレッジの計算式
FXにおいて、口座レバレッジはとても重要な数値となります。
数学の授業のような数式が出てきますが、頑張ってポイントを押さえてくださいね。
保有ポジションの金額(円換算) ÷ 口座資金(円) = 口座レバレッジ
上記の計算式で口座レバレッジが求められます。
ここで注目していただきたいのが、口座レバレッジの計算においては、FX業者(FX会社)の設定レバレッジは一切関係していないということです。
FX業者(FX会社)の設定レバレッジが 25倍でも 888倍でも、保有ポジション量と口座資金が同じであれば、同数値の口座レバレッジとなります。
ちなみに、この場合、設定レバレッジによって何が変わるのかと言えば、
「ロスカット」になるタイミングが、設定レバレッジが高くなればなるほど、どんどん早まってくるという事になります。
>詳しくはこちら 「FX・株」のロスカット|「計算(機)[シミュレーション]」と「ロスカット ルール」「損切りとの違い」 へ
FX レバレッジのおすすめの計算機
■https://fx-sns.net/leverage-calc
とてもシンプルな口座レバレッジの計算機です。
計算できる通貨ペアはドル円・クロス円に限りますが、簡単に口座レバレッジを計算することができます。
■https://www.central-tanshifx.com/activate/service/levarage-calculator.html
こちらはFX業者(FX会社)の設定レバレッジが25倍条件下での詳細までもを計算してくれるページです。
ワーニングメールの配信条件は各FX業者(FX会社)で異なりますがとても参考になります。
FX レバレッジの計算のおすすめアプリ
LION FX(ヒロセ通商)
ヒロセ通商がリリースしている取引ツールアプリの「LION FX」は、リアルタイムで口座レバレッジを計算し表示してくれます。
相場が変動してもリアルタイムで口座レバレッジを表示してくれますので、常にトレード状況を把握することができます。
FX レバレッジ計算をエクセルでやる方法
【レバレッジ計算 簡易版】
エクセルに数値を入力し、ドル円・クロス円の口座レバレッジを計算してみましょう。
各セルに入力する内容を以下のようにします。
- A1:ドル円・クロス円のレート
- B1:保有ポジション量(単位は「通貨」)
- C1:口座資金(単位は「円」)
- D1:=A1*B1/C1(計算式を入力)
A1、B1、C1にそれぞれの数値を入力すれば、口座レバレッジがD1に表示されます。
【レバレッジ計算 詳細版】
こちらのブログでは、「FXのレバレッジとロスカット計算できるポジション表」を無償で提供してくれています。
投資でお金持ちを目指すブログ:http://toushideokanemoti.seesaa.net/article/428449092.html